途方に暮れなずむ

途方に暮れていたり、いなかったり。

自堕落生活、終わる

雨井さんの元から中くらいの人が帰ってくる。雨井さんのお下がりのコートとシャツを着て高速バスから降り立った中くらいの人。一瞬、自分が誰を待っていたのか分からなくなる。若い頃の雨井さんが重なる。

あとから聞いた話では、髪も雨井さんにセットしてもらったらしい。男ふたりで楽しい時間を過ごせたようで何より。

 

中くらいの人不在の間の私はというと、ご飯を食べたり食べなかったり、さんざんだらだら過ごしたのち夜遅くにお風呂に入ったり、起き抜けにいきなり編み物を始めたり、気まま過ぎる生活を送っていた。学生の頃、こんな感じだったなあと懐かしく思いながら。

中くらいの人は、昔に比べればうんと手がかからなくなったが、彼とふたりで暮らすにあたって、私も多少なりとも規則正しい生活を心がけているようだ。そんなことを他人事のようにぼんやり考え、また戻ってきた日常を生きていく。