途方に暮れなずむ

途方に暮れていたり、いなかったり。

昔話

中くらいの人が新しいゲームを買った。もう何作も続くシリーズものの最新作だ。

プレイしながら、「過去のゲームはどんな感じだった?」とかあれこれ訊いてくるので、適当に流していたら、「昔のやつ、やったことあるって言っとったじゃん」などと思いの外突っ込んでくる。仕方ないので、学生時代に当時付き合っていた人がそのゲームが好きで、私はちょこっと遊ばせてもらった程度であることを話す。

妙な沈黙ののち、返ってきた言葉は、「きもっ」。

そうか、きもいか。きもくて結構。そのきもさの延長線上、まわりにまわった先に君がいるのだよ。

実際、今の大人の子ども時代とか若い頃の姿なんて想像つかないんだろう。ちなみに、小さい頃の私は、昔の人はモノクロの世界で生きていたのだと思い込んでいた。今思うと、とてもおかしなことだけれど、私にとっては、白黒写真がまんま昔だったわけで。昔の人の目が白と黒しか識別できないと思っていたのか、はたまた単純に世界に色がなかったと思っていたのか、掘り下げたそのあたりのことについては謎。小さかった頃の自分に詳しく聞いてみたいものである。

中くらいの人にも、いつの日か昔の自分を振り返る時がくるんだろう。そして、多分、より小さき人に「きもっ」と言われるのだ。歴史は繰り返すのである。