途方に暮れなずむ

途方に暮れていたり、いなかったり。

あれこれ書き散らかしたのは、風のせい

風が強く吹いている。心地よいを通り越して、やけくそといったような具合で吹き散らし、いささか息苦しさを感じるほど。

ふと、3年弱を過ごした四国の町を思い出す。彼の地に引っ越してほどなく、地元の人に「ここはいつも風が強いですね」と言ったら、不思議な顔をされた。私が異様に感じた風の強さは、地元の人にとっては大したことないようだった。

今日はそんな風が吹く日。

 

職場から野菜のおかわりを持ち帰っていたので、ピクルスにする。勢いで、きゅうりと一緒にししとうも漬けてみたのだけど、大丈夫だろうか。激辛なやつが潜んでいた場合、威力が増すのか弱まるのか。身をもって体験することとなる。

 

ところで、中くらいの人は口が達者である。幼少の頃から、いや、何なら言葉を覚える前から常に何かしら音声を発していた。彼が静かだったのは、病気をした時のみで、それは年に一度あるかないかであった。

そんな中くらいの人が苦手とする言葉がある。それは、わけぎ。通常、わけぎと言えば、野菜である。玉葱に似た植物で、この辺りでは尾道が産地としてよく知られている。

しかし、中くらいの人によれば、彼にとって「わけぎ」が表すモノは3つあるという。

  1. 前述の野菜
  2. 脇毛
  3. 枝毛

どうしたものか。本人も、真のわけぎは1番のみであることは重々承知しているらしいが、あとの2つのものを思う時、どうしても最初に頭に浮かぶと言うか口をついて出るのも「わけぎ」なのだそう。

彼が、もし、人生のどこかで早押しクイズに参加する機会があるとすれば致命的である。この3文字でハワイ旅行がパァになったらと想像するだけでやるせない。しかし、幸いなことに、たぶんこのまま普通に生きていくとして、1番のわけぎも、2番のわけぎも、3番のわけぎもそれほど頻繁に彼の日常に登場することはないように思う。

それにしても、野菜や枝毛のことを脇毛と呼んでしまうパターンじゃなくてよかった。素敵なお嬢さんとのお食事の際、わけぎのぬたを「この脇毛〜」などと口にしようものならお先真っ暗である。お嬢さんの枝毛に対して「こんなところに脇毛が〜」もアウトであろう。

とにもかくにも、時間はたっぷりあるのだから、これから正しい使い分けを身につけるよう、人知れず努力して欲しいものである。

 

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↑2番目に咲いた花。強風で飛ばされる。