途方に暮れなずむ

途方に暮れていたり、いなかったり。

雨、上がる

雨上がりの朝。ヘリコプターが飛来し、被害の有無を確認している。そして、家に閉じこもっていた一般市民も、川べりにてパトロールがてらの散歩に勤しむ。茶色く濁った川の水と、なぎ倒された水辺の植物が、昨日までの雨の激しさを語っている。

ベランダから望むだいたい180度の景色には、遠かれ近かれその全方向に山が見える。3年前には向こう岸の山が一部崩れて山肌が露わになったのだけど、今回は大丈夫そう。三日三晩続いたあの雨をよく堪えたと思う。

室内に退避させていた植物たちをベランダの定位置に戻す。久しぶりの日差しを少しでも浴びられるように。

 

私も窓を全開にして、先日のプレゼントのお礼の手紙をしたためる。選んでくれたプレゼントのこと、今回の大雨のこと。それ以外はいつも通りのたわいもない日々のことだ。書き連ねるほどに、ありふれた日常のありがたみがじわりじわりと身に沁みる。

 

ニュースで各地の被害を知る。知人の実家のあたりで土砂崩れが起こったようで、心配になる。年賀状でしか連絡をとっていないお相手なので、どうか無事で、と願うばかりだ。

 

夕食には、中くらいの人が私の大好物のラムチョップを焼いてくれた。獣臭が心配だと言っていた中くらいの人も、美味しいと言ってぱくぱく食べられるぐらいに、臭みもなく柔らかいお肉だった。ベランダ育ちのローズマリーもいい仕事をしてくれたみたい。

明日からまた頑張ろう。おう。

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