途方に暮れなずむ

途方に暮れていたり、いなかったり。

招かれざる客

夕暮れ時のベランダにて異変を察知する。何か見慣れぬ物が視界に入った気がして、おそるおそる確認する。

すると、ローズマリーの根本に、白いキノコ!今朝は生えてなかった!こんなもの絶対に生えてなかった!なのに、生まれたてとは思えないほど立派なキノコ。しかも3本も。恐ろしさにくらくらする。

キノコは決して嫌いではない。食用として売られているものは大好きだし、キノコ柄の便箋だって持っている。なのに、突如現れたキノコにはとてつもない不気味さを感じる。とりあえず、直接触れないように細心の注意を払って除去してみたが、明日の朝にはまたしれっと生えているような気がして仕方ない。来る、きっと来る。ここに生えていたことは絶対に誰にも話さないから、無かったことにしてくれませんか、と3回ぐらい念じてみる。

わからないということは、それはそれでこわいもの。ネットであれこれ調べてしまい、ますます恐怖を感じている。先程のものと似ているような、似ていないような、という無限ループに陥る。胞子が飛ぶ前にきれいに除去できたんだろうか。ローズマリーは大丈夫なんだろうか。その周りの植物は?と考え出すときりがない。

今夜、キノコの夢だけは見たくない。