途方に暮れなずむ

途方に暮れていたり、いなかったり。

失せ物

大人になってからの怪我は痛いというが、同様に、物を紛失した時もダメージが大きい。

ストールを失くした。しかも、いつ失くしたのか、どこで失くしたのか、皆目見当がつかない状態である。ストールが無いショックに加えて、自分の意識というか記憶というかそのあたりが、あんまりにもあんまりである。このご時世、外で飲んで帰ったわけでもないのに、それほどまでに私はボーッと生きてしまっているのか。もはや愕然とするしかない。

そんな失くし方ならば、私にとってそれほど思い入れのある物ではなかったんじゃないか、という方向性で自分を慰めたみたものの、何をしていても今はなきストールのことが頭をよぎって仕方ない。まさに、寝ても覚めてもである。数年前の年明け、雨井さんとあーでもないこーでもないと言いながら選んだなぁ、とか、ものすごく薄くて軽くて暖かかったよなぁ、とかとめどないことこの上なし。あーあ。

深めのピンクと青緑のかのストール、私は半分に折って差し色として使ってばかりだったけど、実は中央になかなかにインパクト大なアニマルが描かれていた。こんなことなら、勇気を出して、大っぴらに広げてすっぽり包まれてみればよかった。

ある日どこかからひょっこり姿を現してくれるのを夢見ている。と同時に、もし、どこかで誰かに拾われたのであれば、大切にしてもらえるといいな、と思う。

あーあ、それでもやっぱり悔しい!