途方に暮れなずむ

途方に暮れていたり、いなかったり。

絶望と絶食

黄金週間に突入。今年は、うまいこと有休を活用すれば、最大で10日間の連休になる。コロナ禍の2年分の鬱憤を晴らすべく、多くの人が往来するのだろう。

コロナ前まで、我が家は年に一度、夏休みを利用して九州に旅するのが恒例だった。旅と言っても、毎年同じ宿に泊まるのだから、もはや観光に時間を割くこともなく、のんびり温泉に入っては、美味しいお料理やお酒をいただいてぐだぐだ過ごすという流れが確立していた。それはそれで楽しみな一大イベントではあったが、もともと旅好きというわけでもないので、コロナでその機会を奪われてしまっても、まあそれならそれで、といった塩梅である。なんせこんな感じのテンションなので、コロナ禍になって「じっとしているのも、もう限界です!」といった人々が世の中に多々おられることをテレビのインタビューを見て、初めて知った次第である。その方面に関してテンションが低いことは、そこそこしあわせなことなんだなと感じた。そういえば、毎年年賀状に海外旅行の写真を送ってくれていた同級生がいる。ここ数年は、国内と思しき写真に切り替わっていたが、彼女なんかはフラストレーションがたまって、今頃どこか遠くへ旅立っているかも知れないなあ。

話が遠くまで飛んでしまった。この黄金週間、私たち家族は皆揃ってカレンダー通りの生活である。5月2日と6日のなんと邪魔なことか。とりあえず、皮切りにここから300km程度離れた雨井さんの部屋に一泊二日の強行軍。無理が祟ったのか、夕食を食べ始めたあたりからお腹が急降下のち吐き気を催す。もともと油?脂?に弱い体質であるからして、旅先での浮かれ気味の暴飲暴食が災いした。もはや若くはないのだ。水をちょいと飲んだだけでも、滝のような脱水。夜中の2時ぐらいまでそんな状況で過ごし、翌朝目覚めたら顔が変わっていた。絶望しかない。こんな状態で地元まで帰れるだろうかと甚だ疑問ではあったが、仕方ない。途中のSAで楽しそうに過ごす雨井さんと中くらいの人を横目に、絶飲食で300kmを舞い戻って来た。無事に帰ることができただけで大儲けである。

そんな黄金週間の記録の中の1ページ。雨井さんの住む町の植物店にて、購入した接木ちゃん。

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穂木の綴化した紫太陽は、ピンク色がところどころ濃ゆく、上から見るとジューシーな桃のよう。ただし、触ると亀の子束子。そのツンデレ具合?にメロメロである。当初あまり好みではなかったポップな鉢も、いざ自宅に持ち帰ってみると意外と馴染んで見えたので、このままでよしとする。

この子を愛でるたびに、この度の絶望と絶食の旅路を思い出すのは間違いないだろう。