途方に暮れなずむ

途方に暮れていたり、いなかったり。

薄墨

喪中葉書が届いた。

はて、どなたからだろうと思いつつ、差出人を確認してみると、大学時代のゼミの先生の奥様からだった。毎年先生にお年賀だけは出していたので、先生がお亡くなりになったことをご丁寧に教えてくださったのだ。

あの頃から私はふわふわと生きていて、卒業後のプランは真っ白だった。最後のゼミで、職が決まっていないことと、とりあえず地元に帰ることを伝えると、当時60代半ばだった先生は、まあ人生長いですから、と仰った。

あれから20年。相も変わらず、私はふわふわと生きている。おそらく先生の予想を大幅に上まわってしまっているのではなかろうか。年に一度の短文の近況報告はもうできなくなった。さみしい。