途方に暮れなずむ

途方に暮れていたり、いなかったり。

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

お見送り

退職する人、異動する人、たくさんの人とさようならの一日。 夕方、最後のお見送り。中くらいの人が雨井さんの元へ旅立つ。高速バスの出発まで、ターミナル内のカフェで時間をつぶす。少し前だったら、迷わずジュースだったのに、チャイティーラテ。大きくな…

早朝、雨井さんが帰っていく。南側の窓から、見えなくなるまで見送る。以前、くるりと振り向いた雨井さんから、通常の出勤のときのようにさらりと見送るように言われたけれども、どうしても窓際に吸い寄せられてしまう。そんな私を知ってか知らでか、雨井さ…

雨、閉じこもり

朝から雨。 もし、たくさんの人がこの雨で家に閉じこもっているとしたら、ある意味、これは救いの雨になるんじゃないか、と窓から外を眺めていて思った。さくらが散るのは残念だけど。 職場の同期から、突如LINEスタンプのプレゼントが届く。開いてみると、…

休日

スーパーのレジでお会計時、割引クーポンの有無を訊ねられる。持っていないと伝えたところ、すぐ後ろでその様子を見ておられた女性が、あらあら!これをどうぞ、と言って、クーポンを差し出してくださった。突然の申し出に戸惑いつつお礼を言うと、たくさん…

心機一転、と言い聞かせてみる

職場のレイアウト変更で、朝からバタバタしっ放し。 他県への異動が決まっている人は、もはや心ここに在らず、といった具合で、床から少し浮き上がってふわふわしている。ふわふわしている人の間を縫うように、こちらはせっせと引っ越し作業に精を出す。その…

とんかつとさくら

お昼休み、お師匠さま(健脚の63歳!)と一緒にサービスとんかつ目指して、てくてく歩く。 古くからあるお肉屋さんがやっているお店で、とんかつ、ゆでキャベツ、ポテトサラダ、ご飯のセットで、まさかのびっくりプライス380円也。(少年時代のお師匠さまは…

小さい人の小さいウェア

赤ちゃんの胴着が完成。 最後の最後で、円形の編み始めがうまくいかなかったり、縁編みを一か所忘れたりと、何年振りかで握ったかぎ針に翻弄される。苦手だー。力みすぎて、肩がきんきんする。 どうにかこうにかかたちになり、ひと安心。仕上げのアイロンを…

ストレージ

先日の寝不足から、ふたたびきちんと眠気が訪れるようになった。なんだかんだざわざわうるさい時期。ついいらぬことまで考えてしまいがちで、あのまま眠れない日が続いたらどうしようかと、内心やきもきしていた。 実生活で思いを馳せる機会のなくなった人が…

充電不良の朝に

昨夜はなかなか眠気が訪れず、最後に見た時計の針は3時前を指していたような気がする。情け容赦ないアラームの音で目を覚まし、ずるりとベッドから抜け出したのが今朝の5時半のこと。「今日が休みだったなら」と何度も何度も唱えながら、朝の支度をする。 毎…

ついたての向こうに

青山美智子『お探し物は図書室まで』読了。 特に前評判等目にせず、耳にせず、書店の話題本コーナーでたまたま手に取った一冊。 一日に一章ずつ、大切に読んだ。読後、ひとこと「好きだわー」とぎゅっとかき抱きたくなるような、そんな感情が芽生えたのはい…

着火

実は、10日ほど前からオーガニックコットンで赤ちゃん用の胴着を編んでいる。 初夏ごろに第3子の出産を控えた同僚がいる。日に日に大きく膨らむお腹を間近で見ていて、ふと、そういえば家にオーガニックコットンの糸のストックがあったなぁと思い至って、な…

私を包んでくれるもの

昔から服が好きだ。思い返せば、12歳あたりから、自由になるお金はほとんど洋服に使ってきた。編み物にしてもそうだ。編むのは小物ではなくウェアばかり。 若かった頃は、今よりもたくさんの洋服を買って、たくさん手放した。自分の領域が分からないことから…

二度あることは、三度ある

なんと!今週三度目の中華。同期からのお誘いで、今日は海老の炒め物をいただく。こんなに中華三昧なのは人生初じゃなかろうか。おいしいからいいのだけれど。 仕事帰りに買い物を済ませ、本通りを歩いていると、かーさんに遭遇!たくさんの人が行き交う中で…

棚からバターケーキ

最高気温21℃。薄っぺらな上着すらいらないぐらいの暖かさ、いや、暑さ...まだ桜も咲き揃わぬ3月ですよ。なんてこと! 今月いっぱいで退職する同僚と中華ランチ。気づけば今週二度目の中華。特に中華好きではないけど、たまにはこんなこともある。ちなみに、…

モノクロ

朝から昼すぎ頃まで雨の予報。少し悩んでから、折りたたみ傘を鞄に入れる。 出勤時に乗る電車を変えてひと月ほど経つ。最初は3分、その次は6分、という調子で、今は当初乗っていた電車より10分遅い電車に乗るようになった。おかげで、始業前に顔を合わせる人…

芝生でワイン、のち中華

髪を切りに行く。頭もこころも軽くなりたくて、内側をぐるりと刈り上げてもらう。ひっそり芝生を所有したかのよう。すっきりして、気分も上々。帰りに酒屋でワインを一本買う。 夕方、面談帰りに中くらいの人と家までの道を歩く。日が随分長くなった。夕食を…

軽やか

10年そこそこ続いている文通のお相手が占い師さんであることに驚いたのがお正月。その方のサイトで、生年月日を基に出てきた私のキーワードが「軽やか」だった。それが頭の片隅に残っていたのか、先日購入したワンピースはピンク。背中のリボンに心を絡めと…

お祝いごと

一足早いホワイトデー到来。バレンタインに悩みに悩んで贈ったリトアニアリネンのスカーフが、姿を変えて私の元に。さくらの紅茶は、ジュピターのフレーバーティーしか知らないので、非常に楽しみ。もらってすぐ、一緒に飲んでみようよ、と言ってみたけど、…

昨日のサクラの開花宣言、昭和28年以降もっとも早かったのだとか。通勤路のシダレザクラも一輪また一輪と開花が進む。お隣に立つ少し小ぶりなお仲間はまだまだ眠っていたい様子だけどね。すぐそばにいてもそれぞれのタイミングがあるのだなあ。今日は並んで…

開花

全国に先駆けて、サクラの開花宣言。今までこんなことあったっけ。近所のソメイヨシノはまだ蕾が固そうだったけど、市内中心部のシダレザクラはもうちらほら花が開いている。日に日に可愛らしさを増す様子を確認するのが通勤時の楽しみになっている。 思いが…

春を調達

休日の小さな改革は、気に入りの服を着ること。たとえ家から一歩も出ることがなくても、部屋着ではなく、その日の気分で服を選ぶこと。これは、コロナ禍で家に閉じこもることが増えてから心に宿した思い。その甲斐あってか、時折、今までは思いもしなかった…

唱える

仕事帰りに書店の編み物本コーナーに立ち寄る。極めてシンプルなベレー帽が編みたい。棒針で。目につく本をぱらぱらと手に取ってみるも、好みのものに出会えず。そのまま大人しく帰るつもりが、今回の趣旨とは異なる素敵な編み物本を見つけてしまった。もう…

みんな、誰かの光

三浦しをん『光』読了。 『光』というタイトルを与えられながらも、全編にわたって暗さが付き纏う作品。 暗闇の中で、どうにかして掴もうとするひと筋の光。その光は、例えば太陽のように混じりっ気ない、あたたかく眩い光だろうか。いや、きっと、そうでは…

日曜日の戯言

天気が良く、思い立って電気毛布を洗濯。寒い冬のあいだ、あたためてくれてありがとう。私はぼちぼちやっていけるような気がする。気持ちよく乾いたら、来シーズンまでさよなら。 だらだらと過ごし、いつの間にか去りゆく日曜日。夕方、ラジオを聴きながらキ…

放電のち充電

セーターがついに完成。裾と袖口がメリヤスの編みっぱなしのため、くるんくるんと丸まる。編み方を工夫すればよかったのだけど、今となってはすっかりあとのまつりなわけで。やむなくスチームアイロンをしっかりめにかけて、どうにか落ち着かせることで良し…

食う寝る編む

休日。朝から編みかけのセーターに向き合う。シルク混のそこそこいい毛糸を使ってしまっているものだから、未完のまま埋没させるのは、勿体ないことこの上なし。窓から差し込む春の日差しが心地よい一方で、タイムリミットが迫っていることを私に突きつける…