途方に暮れなずむ

途方に暮れていたり、いなかったり。

早朝、雨井さんが帰っていく。南側の窓から、見えなくなるまで見送る。以前、くるりと振り向いた雨井さんから、通常の出勤のときのようにさらりと見送るように言われたけれども、どうしても窓際に吸い寄せられてしまう。そんな私を知ってか知らでか、雨井さんは、もう振り返らない。

 

黄砂のせいか、頭が痛重い。

テレビでコメンテーターが、コロナが落ち着いたら皆爆発しますよ、皆旅行がしたくてしたくてたまらない、といったようなことを熱く語っていた。そうなのか。私は、そうでもない。

そして、世間では早くも第4波の到来が囁かれている。たとえ、いまの調子でワクチン接種が進んでも、第4波には大した効果は望めないとも。先が見えない日々はまだ続く。

今日の窓の外の霞のよう。