途方に暮れなずむ

途方に暮れていたり、いなかったり。

充電不良の朝に

昨夜はなかなか眠気が訪れず、最後に見た時計の針は3時前を指していたような気がする。情け容赦ないアラームの音で目を覚まし、ずるりとベッドから抜け出したのが今朝の5時半のこと。「今日が休みだったなら」と何度も何度も唱えながら、朝の支度をする。

 

毎日、次の日に必要となるエネルギーをどうにかこうにか工面している。気力、体力に難ありの私は、完全無欠の自転車操業だ。そうやって準備して臨んでも、思わぬところで大量消費を強いられたり、何者かに吸い取られたり、また、今日のように、そもそも充電自体が不良なこともある。

ちょうどそんな日が続いた時期。京都のアクセサリー作家さんのポップアップショップに、偶然、行きあたった。ディスプレイされたケシの実ほどの小さなパールや天然石を使ったアクセサリーを眺めていると、ふと、作家さんが制作途中のネックレスを見せてくださった。大小のアイボリーの石がゴールドチェーンの真ん中に、絡みつくように、けれどもお行儀よく、収まっている。チェーンの両端は切りっぱなしの状態。チェーンの長さも含め、その未完成の留め具の部分をどう仕上げるか悩み中とのこと。突然の展開に戸惑いつつも、一緒になって、この石がいい、いや、これも合いますね、と、しばらく子どもに戻ったかのように、熱心に小さな小さな石と戯れた。結局、その日は(エネルギー不足もあって)、また出来上がりを見せてもらいに来ます、と言って、おいとますることに。

後日、ふたたびお店に立ち寄り、完成したネックレスを見せてもらった。片方のチェーンの末端には、私が好きだと言ったアイボリー、深緑、ダークブラウンの石があしらわれていた。一目で気に入り、購入することにした。

 

のちに、ふと思い立って、作家さんがカードに書き記してくださった石の名前を調べてみた。

  • リバーストーン: こころの痛みを和らげる
  • セラフィナイト: 深い安心感、平穏、癒し
  • ボルダーオパール: 奇跡を呼び込む

気の向くままに選んだ石の、なんとまあ的を射ていることよ。ちょっとダメな朝には、自然と手が伸びるネックレス。