途方に暮れなずむ

途方に暮れていたり、いなかったり。

Sachertorte feat. Spoon

中くらいの人が、数日後に誕生日を迎える。

せっかくなら雨井さんがいる間にお祝いをしようということになり、ケーキを買いに行く。

それぞれ好きなものをピースで買うか、ロールケーキ一本買いになるかと想定していたが、ショーケースの隅に鎮座するザッハトルテのエキセントリックな姿に目を奪われる。他のラインナップとは明らかに一線を画す徒ならぬ雰囲気。そして、どういうわけか主役級の役割を果たすことになったチョコレートで出来たスプーン。順番を待ちつつ、3人でざわつく。すっかり他のケーキが目に入らなくなってしまい、我が家にお連れすることに。

メッセージプレートに入れる名前を伝え、お会計を済ませる。完全体となったケーキを見せてもらった際、メッセージプレートの圧倒的な存在感に息を呑む。キッチンに姿を消したほんの1、2分の間に、無情にもスプーンから主役の座が移行している。すごすぎて、一瞬、字が読めない。肝心な「こちらのお名前でよろしかったですか?」の問いに、うわの空で「はい」と答えるのがやっとという始末。

美術館に行ったあとのように作品のエネルギーにやられ、帰宅後、瞬く間に昼寝する。

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↑よく見ると、スプーンの柄にコーヒー豆のチャームつき