途方に暮れなずむ

途方に暮れていたり、いなかったり。

ウインクの風圧

森沢明夫『大事なことほど小声でささやく』読了。

 

あらすじ

身長2メートル超、スキンヘッド、プロレスラーばりにがたいのいいゴンママは、昼はジムにて筋肉を育み、夜は「スナックひばり」を営むオカマ。

スポーツジムSABに通い出したことをキッカケに、ゴンママの凄まじい吸引力に絡め取られ、かけがえのない仲間になったのは、メタボなサラリーマン、美人の売れっ子漫画家、イケメン高校生、マシンガントークの歯科医に零細企業の社長といった個性豊かな面々。ゴンママを中心にいつも悪ふざけしてばかりだが、実はそれぞれ密かな悩みを抱えている。そんな彼らをゴンママと美少女バーテンダーのカオリちゃんは、あたたかいことばと思いの込もったカクテルで勇気づけるが、実はその二人も・・・というお話。

 

出てくる人すべて、とにもかくにもクセが強い。一見しただけでは「えっ?」と眉をひそめてしまうような人たちかも知れないが、知ると知らないとでは大違い。そして、まさにこれと同じようなエピソードも、実際に作中に出てくる(「末次庄三郎の謝罪」)。思い込み、決めつけは良くないね。よし、肝に銘じておきましょう。

 

罪のない下ネタ満載で、ハチャメチャで、じーんとくるオムニバス形式の小説。元気が足りない時に、読み返したい一冊。