途方に暮れなずむ

途方に暮れていたり、いなかったり。

ちょっと魔が差した話

ポイ活アプリというものをひと月ほどやってみたのち、さよならした。

 

かねてより、ソリティアをプレイしている。パソコンでやり始めて、ブランクを挟みながらも、かれこれ20年以上にはなる計算だ。何かを20年もやり続けたら、何だかすごいことになって然るべきだが、その何だかすごいことが起きる気配は全くない。昔も今も変わらぬ単なる暇つぶしである。上手くなっている実感もない。

 

現在、スマホに入っているアプリは、勝利を重ねていくほど、野菜や果物が採れたり、ペットが増えたり、建物がたったりして、架空の街が拡大していくというお楽しみ(?)つきだ。そこはどうでもいいっちゃいいのだけど、もう何年にも渡って、数種類のカードゲームを気まぐれに楽しませてもらっている。

 

ある時、「カードゲームを楽しみながら、お得にポイントを稼ぎませんか」的な広告が出現するようになった。何回かその広告を目にするうちに、試しにダウンロードしてみようという気持ちになった。今まで通りカードで遊んでいるだけで、買い物に使えるポイントが貯まるなら・・・という卑しい気持ちが芽生えたのである。

 

いざやってみてわかったこと。それは、何がなんでもポイントを稼いでやるという強い気持ちがないと続かないということ。

勝とうが負けようがお構いなしで、1回プレイするごとに広告が入る。下手すると、プレイ中にも容赦なく広告が入る。しかも、私の苦手な動画。憎っくき時間泥棒だ(カードゲーム自体が暇つぶしなので、これは当てはまらないのかも知れない)。テレビCMと同じようなものが立て続けに大音量で流れ出す。さらに動画を観るとポイントが倍になるなどと言われても、私にはそこまでのハングリー精神は無い。ただただ画面の隅っこに×印が現れるのを待つのだ。そして、その×印はとてつもなく意地悪で、非常に押し損なう確率が高く、たいてい要らぬ新たなドアを開くこととなる。もはや、私にとって、これこそが真の勝負である。

わかっている。運営側も慈善事業ではないのだ。おばさんにタダでカードゲームさせたところで何にもならないのだ。

 

ついでに言うと、これは私自身の問題のような気もするが、ギブアップせざるを得ない回数が半端なく多いのだ。萎える。

そうして、私は、私が築いたあの街に帰ることにした。

 

街では、たくさんの仲間たちが私を待っていてくれた。私の不在に腐るでもなく、まるで何事もなかったかのように長閑な街の営みが続いていた。ここには、ヒントやマジック、やり直しなどのお助けアイテムのストックもたくさんあって、ストレスフリーである。離れてみて、初めて気づくありがたさ。もう浮気はしない。

 

ちなみに、ポイ活アプリで稼いだちょっとばかりの期間限定ポイントは、次回、買い物の足しにさせてもらおうと思う。おばさんは、その辺りは抜かりない。