ここから足が遠のいていた間のことを書こう。
とーさんが癌を患っていることが判明した。ここ数年、胃の調子が悪いとか、味がわからないとか言っては、町医者的な医療機関を受診していたとーさん。診察結果は、問題なしであった。ところが、3回目の新型コロナウイルスのワクチン接種の際に、首と肩の丁度境目のあたりにコブ状のものができていることを担当医師に相談したことから事態は急変。すぐに大病院を紹介され、受診した結果、癌が見つかった。
実は、じーちゃんも同じ癌を患っていた。が、じーちゃんの死因は、癌ではなく、老衰。つまり、うまいことウィズ癌でそこそこ長生きしたのだった。そんなこともあって、当初はそれほど深刻に考えてはいなかったのだが、とーさんの場合、前述のコブが、癌のある場所から離れたところにあるため、現在、骨だとかリンパへの転移について疑いがあり、検査をしているところである。
先日、休みをとって、とーさんの受診に付き添った。お正月に会ったとき、すでにとーさんはひとまわり小さくなったような印象があった。でも、大きな病院でいくつかの診察科をよたよたと歩きわたる小さなとーさんを見て、これまで感じたことのないほどの心細さに襲われた。元気な時から比べて20Kgも落ちているのだから、無理もない。こんなことを書いていいのかわからないけれど、「ねぇ、とーさん」と変なタイミングで小突いたら崩れ落ちるんじゃなかろうか。からだが大きいくせに、気が小さくて、キレる大人代表のような存在だったとーさんの面影は遠い。
そんなことを軸に、私の日々は流れていた。
ぼーっとしていると、ろくなことを考えないので、中くらいの人のためにセーターを編んだ。
以前編んだベストを気に入ってくれたのは嬉しいのだけれど、あんまりにも毎日毎日着るので、毛玉が増殖し、すっかり見すぼらしくなってしまっている。東急ハンズで購入したデキる毛玉取りで対応してはいるが、毎回毎回、小動物大の毛玉が誕生。このベストはいつか消えてなくなるのではないかと懸念したのだった。で、新たにセーターを編んだのだが、かのベストほど喜んではもらえなかった。「暖かいし、昼寝のときに着させてもらうわ」的なお言葉をいただいてもやもやした次第。
それならば、と現在また新たにベストを編んでいるが、これは、正直、次のシーズン用になるかな、と思っている。ぼちぼち暖かくなってきたし、私の集中力もなかなか続かない故。
編み物と相反して捗っているのが、読書。自分の時間が有り余っていた若かりし頃以来の爆読みをした。以下に読んだ作品を記しておく。
- 横溝正史「悪魔の手毬唄」
- 歌野晶午「ずっとあなたが好きでした」→途中やめ
- 内藤了「ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」
- 内藤了「CUT 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」
- 内藤了「AID 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」
- 福井晴敏「終戦のローレライ ①〜④」
- 内藤了「LEAK 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」
- 福井晴敏「真夏のオリオン」
- 貫井徳郎「後悔と真実の色」
- 貫井徳郎「宿命と真実の炎」→途中
こうして書き連ねてみると、偏り方が半端ない。ただ、自分の気分的に、何かに向かってまっしぐらな話が読みたかった。今は、ふわふわしたものじゃなくて。
ちなみに、これらはすべて電子書籍で読んだのだけれど、「終戦のローレライ」は紙の本だと、上・下巻で、そこそこのボリュームがあるらしい。前のめりで、あっという間に読んじゃったけど。
落ち着いたら、またひとつひとつ読書記録を綴りたいと思う。
↑ここにも、眠りから覚めつつある子。春が来るよ。