途方に暮れなずむ

途方に暮れていたり、いなかったり。

触れてはいけない

我が家には、かつて触れてはならない案件が存在した。過去形になっているのは、それがついに解消されたから。今日はそのことについて記す。

 

機密性が高い我が家は、冬場に限って言えば、エアコン要らずである(ただし、パネルヒーター的なものは使う)。ただ、これには非常によろしくない点もあって、それは窓と言う窓、そして玄関ドアの結露がひどいということ。拭く間もないほどのダラダラっぷりで、カーテンはダメになるし、とにかく寒くても窓を開けて乾燥を促すことが必須。

中でも厄介なのが玄関ドア。滝のように露が流れ落ち、みるみる玄関に水たまりができてしまうのである。越して来た当初、この異様な光景に、結露吸収シートなるものを調達して来て玄関ドアの上下に貼ってみた。これで解消と思いきや、事態は悪化。あまりの量の結露をシートが吸収しきれず、カビが発生したのである。そこでシートを撤去しようとしたところ、これがきれいに剥がれない。結果、シートの残骸である糊とカビが結束を固め、うちのドアは見るも忌々しい姿となったのだった。もはや拭いてもきれいにならず、どうせ3年程度しか住まないのだろうからと見て見ぬふりを決め込むことで落ち着いたのだった。

さて、3年程度のはずが延びに延びて、気づけば9年目の住めば都状態なう。いい加減、配達を受け取る時の緊張感やら、禁を破って時折ちらりちらりと玄関ドアに目をやる自分にも嫌気がさしてきた。

そんなわけで、以前より検討しては却下を繰り返していたカビ取り剤の使用について真剣に考えてみることにした。以下、懸念していたことやネットで調べてみてもわからなかったこと。

  • そもそも玄関ドアにカビ取り剤を使っても良いのか。
  • 玄関を開け放して作業をするにあたり、お隣さんに見られたくない。また、臭いが迷惑になる可能性も無視できない。

どうやら、玄関においてカビというものは、大抵の場合、壁紙に生えるのであって、ドアそのものというのはレア・ケースに当たるらしい。カビ取り剤が金属等に与える影響や色落ちの可能性等、随分時間を費やして調べてみてもやはりわからないことだらけ。このままだと堂々巡りの堂々巡りになりかねない為、一念発起して新たにカビ取り剤を購入して自分を追い込んでみた。

 

もう後戻りできない。

 

「低塩素臭」と「賃貸物件現状復帰のプロが開発!」の殺し文句を信じて、まずは隅っこのあたりにシュッと吹きかけてブラシで擦ってみたところ、黒ずみが落ちた!気になる臭いも、無臭とは言わないけれど、普段お風呂場で使っているカビ取り剤よりうんとマシ。そこからは、お隣の気配に気を配りながら、ドアを大きく開けて黙々と作業を続けた。最後はしっかり水拭きをして、数時間風通しを良くしておいた。ドアを一切傷つけることなく、ことを成し遂げることができたなんて夢のよう。

 

これほどまでに私を苦しめた(?)玄関ドアのカビ。さぞや家族も驚いて、喜んでくれるだろうと思っていたら、何とまあ気づいてすらくれない。今冬もまた発生するんだろうなあ・・・はあ。でも、解決法を見出したから良しとしよう。