途方に暮れなずむ

途方に暮れていたり、いなかったり。

最後の灯火

日常が戻って来た。

朝からうんざりするほど暑い。靴の中に飛び込む砂利を不快に感じながら神社を通り抜け、駅へと向かういつも通りの日々。

夏旅が思いの外楽しかったので(前の日記にちらりと書いたが、もともとは全く違う旅程だった)、その分帰宅後の反動が著しい。寂しさを抱えつつ、少しずつ掃除をしたり、洗濯をしたり、ご飯を作ったり、リハビリのような数日間を過ごしている。時折、家のあちこちに散らばっている旅の思い出が目に入ると、気持ちが幾分和む。

 

そんなことを書いては保存、書き直しては保存、という行為を繰り返しているうちに、新たな連休がやって来た。

雨井さんと中くらいの人がコンビニに買い物に出掛けたあと、ひとりのんびり植物動画を観ていた時のこと。何やら焦げ臭い匂いを感知した。どうせ下の階の人がまた煙草を吸っているんだろう。そう思ったけれど、ちょっと待て。窓は閉まっている・・・え?と思って、恐る恐る後ろを振り向くと、なんと扇風機が発火していた。とりあえず、コンセントを抜いて(最初に電源オフを試みたが、言うことをきいてくれなかった)、窓を開けて事なきを得たが、驚きのあまり心臓がバクバクした。落ち着いてからよく見てみると、扇風機は2011年製で、耐用年数は6年と明記してあった。なるほど、この扇風機は中くらいの人が5才の時から使っていたようだ。私たちとともに引っ越しも二度経験したはず。最近では、頼んでもいないのに勝手にリズムモードになったり、おかしな様子も見受けられていたが、最後の最後まで動き続け、風を送ってくれた(さすがに発火はこわかったが)。ついに御役御免の時が来たのだなあ。

買い物から帰って来た二人にことの顛末を話すと、それはそれは驚いていた。

そんなわけで、明日は新しい扇風機を買いに行く予定。